VISION

 バリアフリー・ワンルームの家。この住宅を一言で表現するとこのようになるかもしれない。

住宅は低層の住宅地にあり、不燃化特区に指定されているため、区の支援も受け木造の準耐火構造となった。住まい手は、親とご子息の二世帯である。

 1階は高齢者に対応するため駐車場から寝室へ段差20ミリのバリアフリーで直接入ることができる。フラット35S金利Aプラン バリアフリー性に対応しており、このことは限られた予算において融資の面でも大きな力となった。日常生活空間の中では、特に寝室から浴室にかけての水廻り動線は、他とフルハイトの襖で仕切り、将来の介護も見込んで住まい手のコアスペースとなっている。また地続きに開いた部屋からはどこからも庭園を望むことができる。

 2階は、浴室・トイレを除き、将来のあらゆる生活空間に対応するために、カーテンで間仕切られたワンルームである。思わぬコロナ禍に見舞われた予測不能な時代である。建築で空間を確保しておき、住まい手が将来の人生設計に応じ生活空間を構築してゆくことは、時代の流れのように思える。(大倉信一)




































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